Lecture I | 『大脳皮質と脊髄間結合から考える随意運動制御』 | |
講師:西村 幸男(生理学研究所) 補佐:加藤 健治(総合研究大学院大学) | ||
Lecture II | 『目的志向の運動制御』 | |
講師:森本 淳 (ATR脳情報研究所) 補佐:杉本 徳和(NICT) | ||
Lecture III | 『運動野は何を表現し計算しているのか』 | |
講師:田中 宏和(北陸先端科学技術大学院大学) | ||
Lecture IV | 『運動学習の計算理論とその障害』 | |
講師:井澤 淳 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所) 補佐:神原 裕行(東京工業大学) | ||
Lecture V | 『大脳基底核 23の問題』 | |
講師:南部 篤 (生理学研究所) 補佐:知見 聡美(生理学研究所) | ||
Lecture VI | 『運動記憶の冗長性とその機能的意義』 | |
講師:野崎 大地 (東京大学大学院 教育学研究科) 補佐:瀧山 健 (玉川大学/日本学術振興会) | ||
12:30- 受付 (昼食を済ませてから集合してください)
13:00-13:15 開催の辞
大脳皮質一次運動野から脊髄運動ニューロンを結ぶ皮質脊髄路は、霊長類で特に発達しており、系統発生学的に新しい神経経路である。それが一度切断されると、自分の意思で体を制御することができなくなってしまう。本講義では、シナプス結合、ニューロン活動、古典的な損傷実験など生理学的な立場から、皮質脊髄路の機能を紹介する。また、脊髄損傷や脳梗塞後の随意運動麻痺を如何にして再獲得するか議論する。
13:15-14:15 基礎講義
14:15-16:15 グループ討論
16:15-16:45 グループ発表 16:45-17:15 発展講義 |
18:00-19:00 夕食
19:00-21:00 Welcome party
Lecture II 『目的志向の運動制御』
講師:森本 淳 (ATR脳情報研究所)
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ある種の運動は、ある種の目的をもって生成されているという考え方がある。そこで、ある目的関数を設定した場合に、それを最大化または最小化するような運動をどう導くかが問題となる。そのような問題に対するアプローチとして最適制御手法の紹介を行う。
9:00 - 10:00 基礎講義 10:00-12:00 グループ討論 |
12:00-13:00 昼食 13:00-13:30 グループ発表 13:30-14:00 発展講義 |
Lecture III 『運動野は何を表現し計算しているのか』講師:田中 宏和(北陸先端科学技術大学院大学) |
皮質運動野が対側の身体運動を制御しているというFrisch & Hiztig (1870) の発見から140年余り経過したが、未だに運動野がどのような計算を行い何を表現しているかに関して合意は得られていない。伝統的にはEvertsの筋活動仮説やGeorgeopoulsの外部空間運動仮説、最近ではHatsopoulosのpathlet仮説、ChurchlandとShenoyの力学系仮説やSussiloとAbbottのリカレントネットワーク仮説と、百花繚乱であり運動野の統一見解には程遠い状況である。また最新版のPrinciples of Neural SciencesでKalaskaは「運動野はニュートン力学の運動方程式を解いていない」と言い切っている。では運動野は一体何をしているのか?本講演では運動野に関する計算論的研究を概説し、「運動野は何を表現し計算しているのか」に関して議論する。
15:00-16:00 基礎講義
16:00-18:00 グループ討論
18:00-19:00 夕食
19:00-19:30 グループ発表
19:30-20:00 発展講義
21:00-24:00 ポスターセッション
Lecture IV 『運動学習の計算理論とその障害』
講師:井澤 淳 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
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自閉症を持つ脳は、どうして協調運動障害を生成するのか?小脳の変性は、どのように運動失調を生成するのか? 本講義ではまず、脳が運動を学習する計算論的機構について確認し、これを応用して変性を持つ脳が特異的な運動を生成する機構について考える。
9:00 - 10:00 基礎講義 10:00-12:00 グループ討論 |
12:00-13:00 昼食
13:00-13:30 グループ発表
13:30-14:00 発展講義
Lecture V 『大脳基底核 23の問題』
講師:南部 篤 (生理学研究所)
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ある行動を実行すべきか否かの判断は、その結果得られると予測される報酬の価値に大きく依存する.この場合の価値は、量や確率などの外部変数だけでなく、判断する時点において主体がどの程度その報酬を必要とするかという内部状態も影響する.講義では、一定の行動を実行する/しないの判断について動物の実際の振る舞いを紹介し、その背景にある原理や脳内機構について議論する.
15:00-16:00 基礎講義
16:00-18:00 グループ討論
18:00-19:00 夕食 19:00-19:30 グループ発表 19:30-20:00 発展講義 |
21:00-24:00 ポスターセッション
Lecture VI 『運動記憶の冗長性とその機能的意義』
講師:野崎 大地 (東京大学大学院 教育学研究科)
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身体運動のどのような特徴が脳に表象されているのか?議論の絶えない大きな問題であるが、身体運動がある脳内表象に一意的に対応しているという確信が、このような問い自体の成立要件になっているように思われる。しかし、脳の活動が身体運動を引き起こすという因果関係、そして脳に膨大に存在する神経細胞を考慮すれば、同じ脳活動が異なる身体運動を引き起こすことは確かに非論理的である一方、同じ身体運動が異なる脳内表象を持っていてもおかしくはない。講義では、両手ー片手運動の例などを通じて脳の運動記憶が冗長性を持つことを紹介しながら、そのような機能的意義について議論したい。
9:00 - 10:00 基礎講義
10:00 - 12:00 グループ討論
12:00-13:00 昼食
13:00-13:30 グループ発表
13:30-14:00 発展講義
14:30 - 15:30
解散