Lecture I | 『意識の神経科学:意識の謎と統合情報理論入門』 | |
講師:土谷 尚嗣(Monash University) | ||
Lecture II | 『信頼と説得の知能:人狼ゲームから考える自己・他者の意識の意味』 | |
講師:大澤 博隆(筑波大学 システム情報系) | ||
Lecture III | 『意識の問題への理論的・数理的アプローチ』 | |
講師:大泉 匡史 (理化学研究所 脳科学総合研究センター) | ||
Lecture IV | 『人工意識をつくるための理論的フレームワーク』 | |
講師:金井 良太 (Araya Brain Imaging, CEO) | ||
Lecture V | 『自由意志と意識の統合的理解に向けてのロボット構成論研究』 | |
講師:谷 淳 (KAIST) | ||
Special Lecture | 『数理脳科学を目指して』 | |
講師:甘利 俊一(理化学研究所 脳科学総合研究センター) | ||
12:00- 受付 (昼食を済ませてから集合してください)
13:00-13:15 開催の辞
Lecture I: 『意識の神経科学:意識の謎と統合情報理論入門』
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意識の問題がなぜ面白く、重要で、しかし、難しいのかを解説します。この意識の謎の壁を打ち破る可能性が最も高いと期待されている統合情報理論を導入します。チュートリアルでの問題を通して、IITへの理解が深め、IITに対しての恐れを取り除き、今後何を解決すべきかをクリアにすることを目指します。
13:15-14:15 基礎講義 14:15-16:15 グループ討論 |
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X=身体・感情・記憶・学習・言語・自意識(自己意識)・思考・論理・情報・統合・etc
意識にXは必要か? Xに意識は必要か?
16:15-16:45 グループ発表 16:45-17:15 発展講義 |
18:00-19:00 夕食
19:00-21:00 Welcome party
21:00-24:00 Poster Session
講師:大澤 博隆(筑波大学 システム情報系) |
本講義では、コミュニケーションゲーム人狼を人工知能で解く、AIグランドチャレンジ「人狼知能」における知見を元に、自己の中の他者モデル、他者の中の自己モデルを理解する仕組みについて検討していく。人狼ゲームは自然言語を媒介とするスパイ発見ゲームであり、相手の意図を理解する推理と、相手の中に存在する自己をモデル化し、言語を介して相手のモデル変更を迫る説得が大きな要因となるゲームである。社会脳仮説において、人間の脳の進化の主要因となったと思われる社会的知能の要件を本ゲームを通じて探ることで、人の意識を必要とする要因について突き詰めたい。
キーワード及びトピックス:人狼(werewolf)、コミュニケーションゲーム(communication game)、ヒューマンエージェントインタラクション(human-agent interaction)
9:00 - 10:00 基礎講義
10:00-12:00 グループ討論
人狼ゲームを通して、人間の脳が行っている社会的 な処理を「意識」して処理を書き下す。
12:00-13:00 昼食
13:00-13:30 グループ発表
13:30-14:00 発展講義
Lecture III: 『意識の問題への理論的・数理的アプローチ』講師:大泉 匡史(理化学研究所 脳科学総合研究センター) |
本講義では意識の問題への理論的・数理的なアプローチを解説し、人工知能の意識という問題を考える上での理論的な基礎を築くことを目指す。特に有用な作業仮説として、意識の統合情報理論(IIT)を詳しく解説する。IITは、物理的なシステム(例えば脳)が生み出す意識の量と質を、システム内部の『情報』と『統合』という観点から数学的に説明しようとする理論である。理論の非自明な予測は何か、理論を検証するためにどのような実験が必要かを議論する。こうした議論を通じて、意識という問題をより深く理解をするために、理論と実験の両方向から研究することの重要性を考えていく。
キーワード及びトピックス:意識の統合情報理論(Integrated Information Theory of Consciousness (IIT))、情報理論(Information Theory)、Global workspace theory、Chinese room thought experiment
15:00-16:00 基礎講義
16:00-18:00 グループ討論
IITの公理は以下の基準で選ばれています。
現在の公理、情報(information)、統合(integration)、構造(composition)、排他 (exclusion)が上記の基準を満たしているといえるかどうかを検討してください。 もし満たしていないと思える場合それを指摘した上で、代案を考えてください。 特に、Completeかどうかという点に関して、追加すべきと思う公理があれば指摘してください。
18:00-19:00 夕食
19:00-19:30 グループ発表
19:30-20:00 発展講義
21:00-24:00 ポスターセッション
講師:金井 良太 (Araya Brain Imaging, CEO) |
人工知能がさらに発展していったら、自我や意識を持ち始めるのかという話題はSF映画などで頻繁に取り扱われる興味深いテーマである。このような問題に、現代の意識科学の観点からどのようなことが推測できるだろうか。また、現在の意識研究から生まれてきた理論をもとに、意識を工学的に実装することはできるだろうか。本講義では、人工意識について考える際の概念と理論を整理し、現象的意識の構築を目指すArtificial Consciousnessとアクセス意識の構築を目指すSynthetic Awarenessの2つの方向性を示す。前者では統合情報理論(IIT)のようなIdentity Theoryの役割を議論し、後者では自己言及性やメタ表現や予測コーディングといった情報の機能的側面から意識の機能について議論する。
キーワード及びトピックス:Integrated Information Theory, Free Energy Principle, Artificial Consciousness, Synthetic Awareness
9:00 - 9:30 基礎講義
9:30 - 11:30 グループ討論
11:30-12:30 昼食
12:30-13:00 グループ発表
13:00-14:00 発展講義
講師:谷 淳 (KAIST) |
本講義では、自由意志と意識に関する現象を統一的に説明しうる構造は、果たしてどのようなものか、講演者が、現象学、脳神経科学、非線形力学系、Deep Learning、学習ロボットなどを含む学際研究の結果から得たものを基に、議論していく。特にpredictive codingの原理に基づき構成された、認知ロボットの学習と行為の実験において、主観と客体は、如何に交りあい、かつ分離しうるのか、その動的構造を理解することにより、その背景に潜む意識と自由意志の統合的な構造の理解に迫ろうとするものである。
キーワード及びトピックス:ロボット構成論、prediction and postdiction, deterministic versus stochastic dynamics, top-down and bottom-up interaction, 身体性、authentic being by Heidegger, recurrent neural network, upward causation and downward causation, deep learning of spatio-temporal perceptual flow, フッサールの主観的時間と流れ の分節化、カオスと記号力学系
15:00-16:00 基礎講義
16:00-18:00 グループ討論
18:00-19:00 夕食
19:00-19:30 グループ発表
19:30-20:00 発展講義
21:00-24:00 ポスターセッション
講師:甘利 俊一(理化学研究所 脳科学総合研究センター) |
数理脳科学とはどのような構想に支えられ、どんな方法を用いているのだろうか。それは計算論的神経科学や脳のシミュレーションとはどこが違うのか。このような問題意識のもとで、数理脳科学の方法と成果を概括するところから始めよう。これには、統計神経力学、神経場理論、連想記憶、深層学習などが含まれる。
さらに、脳と人工知能の発展が大きな話題に上っている現状に鑑み、人工知能と理論脳科学の歴史をたどりながら、ASCONEの主題である意識の問題を考えて見たい。人工知能の発展にとって脳から学ぶ意識や自由意志などの機能が重要であることを指摘し、これらが人工知能にどう導入されていくのかを考えて見たい。
9:00 -12:00 講義(第1部)
12:00-13:00 昼食
13:00-15:00 講義(第2部)
解散