12:30- 受付 (昼食を済ませてから集合してください)
13:00-13:15 開催の辞
私たちはふだん様々な事物に目を向け,それらに対して反応をする.この刺激と反応のあいだの機能的関係のみに着目すると,人間は目に与えられた視覚情報を処理し意思決定をする無機質なマシンであるといえる.しかし,それと同時に,目を向けた事物が生々しい現実感をもって私たちの意識に上ることも確かである.本講義では,知覚的意思決定やアウェアネスに関する既存の知見も参照しつつ,意識の「内容」であるリアリティあるいはクオリアが(もし存在するならば)どのような情報処理に支えられているかについて考える.
13:15-14:15 基礎講義 14:15-16:15 グループ討論 |
|
かつてのCG画像は写真ではないことが即座にわかるものが多かったが,いまでは実世界と見紛うばかりのCG画像が映画などで広く用いられている. では,あるCG画像の知覚的な「リアリティ」を決定づけている画像の特徴は何だろうか? 言い換えれば,ヒトはいかなる情報をもとにリアルかフェイクかを見分けているのだろうか? この問いに答えるための研究の一つを計画し,具体的な手続きを説明してください.
重要な参照知識: Hany Farid の一連の研究,Eero Simoncelli の一連の研究
16:15-16:45 グループ発表 16:45-17:15 発展講義 |
|
18:00-19:00 夕食
19:00-21:00 Welcome party
21:00-24:00 Poster Session
ヒトにとってのリアリティとはなんでしょうか?たとえばバーチャルリアリティは感覚提示技術を使って体験者に等価的なリアリティをもたらす技術です.そこにあるリアリティの実体は等価的な感覚と運動の連携情報でしかありません. ヒトが認識する世界とは脳内に描かれた「世界像」であり,ヒトは感覚情報を入力とし運動情報を出力としながら「世界像」を更新し続けています.その中でのリアリティとは「過去の経験をもとにした感覚知覚の予測」と「現在の感覚知覚」を比較して「強い注意を引く違和感を生じないほどに誤差が十分に小さい」状態であると定義できます. ヒトの予測=世界像は外界像と自己身体像から成っている情報処理の結果です.自己身体像を生み出す情報は身体性を「拘束条件=物差し」とする「計測=感覚」の結果として定義されています.ヒトの感覚や運動は錯覚や順応によって変容します.その変容や錯覚はモダリティや空間方向に留まらず時間方向にも広がりと関係性をもっているので,これを数理的にモデル化すれば,脳の働きを予測するだけで無く,その結果としての認識や応答を予測し,誘導するインタフェース技術を工学的に設計することも可能です.この講義ではこうした技術を用いた「バーチャルリアリティ」や「人間機能拡張技術」「行動誘導技術」,「意図推定技術」などを紹介しながら,ヒトを感覚―運動情報処理系と見たときの意識や記憶の成り立ちの必然について考えてみましょう.
9:00 - 10:00 基礎講義
10:00-14:00 グループ討論
「こうして、こう」伝達実験
討論項目
12:00-13:00 昼食
14:00-15:00 グループ発表
19:30-21:00 発展講義
15:30-18:00
18:00-19:00 夕食
21:00-24:00 ポスターセッション
リアリティを生む技術によって結局リアリティは生まれたのか?を皆さんと一緒に考えます.リアルと言われるCGや人工物が創造されたとして,それが果たしてどの程度リアルなのかが評価されなければなりません.グループ討論では各グループは,何かしらの技術によってリアルな何かが誕生したとして,そのリアリティを多視点から評価するための実験設計,統計,論理を構築して頂きます.基礎講義では,その一助となる,また皆さんの普段の研究や学習にも役立つ,多変量間の因果関係モデリングの基礎をお話しします.具体的には,因果関係を相関から論じることの危険性と,その代替手段として偏相関を用いたモデル選択手法を紹介します.
9:00 - 10:00 基礎講義
10:00 - 12:00 グループ討論
具体的な「人工物」を一つ取り上げ、そのリアリティを評価する(実験)方法を計画してください。
12:00-13:00 昼食
13:00-13:30 グループ発表
13:30-14:00 発展講義
錯視を見た時、なぜ人はそれを「面白い」と思うのでしょうか。過去の研究は錯視の生起メカニズムについては詳しく検討してきたのですが、「錯視の面白さ」がどのように生じてくるのかという問題は扱ってきませんでした。この問題を考えるためには、多くの概念を系統立ててつなぎ合わせる必要があります。本講義では、様々な表現技法を使って錯視を実世界に実装した例を紹介し、「リアリティ」を軸としてなぜ錯覚が面白く感じられるのか、その理由について議論します。
14:30-16:00 講義
16:00-18:00 グループ討論
18:00-19:00 夕食
19:00-19:30 グループ発表
20:00-24:00 ポスターセッション
知覚の神経機構を知る試みにおいては、三つの対象の関係を理解することが重要である。一つは「世界」である。世界の中に存在する事物が知覚の元になる。もう一つは「心」である。心の中で主観的な現象として知覚が生じる。そして三つ目が「脳」である。脳は世界で起きる物理的事象と、心の中で起きる心的事象である知覚を媒介する。知覚は生物的な機能であり、種にとって意味のある生物的な世界を脳のはたらき活動によって作りだす働きととらえることができる。そのために知覚には生物としての制約がかかっている。一方、知覚は世界における物理現象に基づいて生じるため、物理的な制約もかかっている。知覚における「世界」-「脳」-「心」の関係を理解するためには、そのような制約の存在を頭に入れておくことが大事であろう。ヒトの住む世界は、さまざまな分節化された事物から成り立っており、それぞれの事物の持つ質感がリアリティを生み出している。すべての事物が固有の質感を持つので、質感は極めて多次元で複雑な情報である。質感知覚において「世界」と「脳」と「心」がどのようにつながっているかを理解することで、世界の持つリアリティが生み出される仕組みの理解にもつながるだろう。質感を理解するためにどのようなアプローチが可能か考えてみたい。
9:00 - 10:00 基礎講義
10:00 - 12:00 グループ討論
バラエティにあふれた質感を持つ物に取り囲まれた世界を知覚する脳の働きを理解するためには、どのようなアプローチが考えられるか?
12:00-13:00 昼食 13:00-14:00 グループ発表 14:00-16:00 発展講義 |
|
解散